韓国ドラマはアロマです(仮)

韓国ドラマのまとめが増えてきたので、こちらで管理することとしました。辛口気味に好き勝手なことを言っています。ネタバレを多く含みます。未視聴の場合は回避をお願いいたします。

velvet under//misin「ナツの魔物」 ヤクルトホール

「去年の夏、私は息をしながら死んでいた」
…という、チラシに書かれたキャッチコピーがすごくいい感じというのと、
そのいい感じをドカンと幕開け一言目に早くも持ってきちゃうあたりが
velvet under//misinだよなぁ(笑)…と思う梅雨明け前のナツ。

8年前のある日。ジャッジミスにより職を追われた元野球審判員・村田。
その日以来、仕事もせずギャンブルなどに明け暮れる日々を送る。
そんな父に愛想を尽かす息子と娘。
どんなときも味方でいてくれた妻・マイは余命一年の病に罹ってしまう。
妻の残り少ない余命期間、彼女のワガママを聞いてやれと

主治医ブラウン・ジャックは夫に告げる。
無理難題なワガママに少しずつ出来る限りの力で応えようとする父・コウジ。
その姿を見て少しずつ、昔の父に対する愛情を思い出していく子供たち。
父が借りた借金を取り立てにきて、

そんな子供たちに惚れてしまうヤクザの兄貴とその師弟。
村田家のペット・ピーコに惚れるヤクザの親分ハゲタカ。
騒動を巻き起こすヤシ子おばさんを筆頭とするマイの妹一家。
死に行く人を迎えに来たが時期を間違えたため、暫く村田家で過ごすこととなった死神…
病と死を前にして、どんどん賑やかで楽しい一家になっていく村田家。
やがて一年が過ぎ、ひとつの命が消えることになる…

元野球審判・村田コウジ:あべこうじ
こうじの妻・村田マイ:キシモトマイ
こうじの娘・村田チエコ:池谷よろこんで
こうじの息子・村田シンゴ:中尾伸吾
村田家のペット・ペンギンのピーコ:デッカチャン

マイの妹・ヤシ子おばちゃん:家城啓之
やし子の夫・キクオ:菊池大助
やし子の子供・ウシオ:牛島康子

死神見習い:ノーパンチ松尾

半分鳥で半分人間のうぐいす:松田ヒロアキ
うぐいすの兄貴分・フラミンゴ:増谷キートン
組長・ハゲタカ:鈴木Q太郎

佐々木大次郎:掛川ハンジョー(都営12号線

伝説の名医ブラウンジャック:林克治カリカ
研修医・妻夫木英二郎:オコチャ

ホームランガールひばり:リンダ徳村
ひばりのマネージャー・曇リ空晴レ子:うみのえりこ
晴子の彼・キムラジョンイル:パンチ浜崎

秋友ノーストライク:たーちゃん
エキストラ?:コブシトザンギ
千秋楽特別ゲスト:2丁拳銃・小堀

この公演、5公演ともエンディングが違うということで話題でした。

本当に全然違いました(笑)。
友達の話など総合したところで、おおよその流れ…です。

1日目。コウジ亡くなる。医師が「元々病気だったのは旦那だった」と説明。

父親を死んだように生きたまま
死なせたくはないと妻と協力して、彼に嘘をつき、

妻のために尽くすことで彼にやる気を取り戻させたのだった。
ブラウン・ジャックは彼の心の病を治したのだからと、手術代として1500万円を徴収。
保険金が借金返済と手術代でなくなったが、明るいマイのとりまとめで

みんなで仲良く暮らそう…という流れ。
コウジが残した宝くじが当たったかどうか、

当たった??…と最後に謎を残したままの形で終わり。

2日目。病気だったコウジに臓器を全て提供したマイが亡くなる。

コウジに再びちゃんと生きて欲しいと願うマイの気持ち。
借金は半?家族となった鳥たちの計らいでチャラ。

手元に残った1500万円で再びギャンブルを始めるコウジ。
その隣にはひばり。ひばりと再婚することになったらしい。

最後の最後までハワイに行くなどして浪費。

3日目。元々病気はコウジだったパターン。コウジ亡くなる。

ヤシコの元に秋友が。劇団をやめたいと告げる秋友に
新しい夫・キクオにならないか?と声をかけるヤシコ。
かつてのキクオは、マイに「何もしない」と口説かれ?連れて行かれる。

4日目。2日目と同じパターン。

生き残ったコウジはマイの遺志を酌み、一生懸命働く。が。
ある日、劇団員(吉村)に“人殺しの演技を極めるため…”と、刺され亡くなる。
エンディング後、Love me doが出てきて「私もステキな男たちと戯れた~い!」。
幕が再び開き、出演者全員が水着で踊りまくり。

千秋楽。コウジが亡くなるパターン。

借金は、鳥たちも他から借りていたお金を貸していたため、回収せざるをえなく。
そんな時、ピーコとハゲタカが宝くじを握り締め新聞を見つめて笑っている。
まさか宝くじ当選?と思いきや、「…当たるわけないじゃん!(笑)」と明るく。
そこにウシオが遊びにくると、ハゲタカが

反射的に主人・佐々木の敵を取ろうと斬りかかり殺してしまう。
その影響で、それぞれが敵を討ちはじめ…全員死亡。最後にひとり残ったマイ。
ブラウン・ジャック「サービスでパワーアップしといたよ」
その後4日目と同じ、出演者全員の半裸姿でのお祭りへ突入。

会場全部を走り回る大騒ぎ祭り。


【感想】
今回の公演は…ちょっと「中崎タツヤ」の世界。

ちょっとだけね。別に似ているとかそういうんじゃないの。
中崎タツヤ作品って、絵が絵だからすごく好き嫌いが別れる。

絵で食わず嫌いが出ちゃう。
だけど食わず嫌いしないで、読んでみるとなーんか意外な場面で、

「あぁ、人生って」なんて思う。
意外な場面だから読者全員がそこでそう思うわけじゃないし、

「人生」というキーワードを形作るわけでもないと思うけれど。
でも、なんか背負った感じの人生観ではなくて、気の抜けた、

ものすごくアバウトな感じで掴みかける何かを…みたいな…。
…わかるかなぁ…わかるかなぁ…このvelvet under//misinの世界観。

万人に薦められる感じとはちょっと違うという感覚を。
その感覚が今回もまた強まった感じがしました。
家城さんをはじめとする作り手側の言いたいところが、

形はないのだけど…形にして受け止めたくはないのだけれど
すごく原石のままぶつかってくるようなところがあるのが

velvet under//misinかなーと思います。ある意味宇宙的です。
その中から本物の石を拾い集めて加工するのはお客さん次第。

磨いたところで思ったままの輝きを放ってくれるかわからない
不思議な手触りの石ばかりなんだけど…その工程を、

どこまで石に愛情注ぎながら楽しめるか…みたいなね…。
いろいろと考えつつも、最後はお祭り付(千秋楽と前楽のみ)で

パーッと楽しんでおしまい。ナツって感じだねー。

会場を出てふと、家城さんプロデュースの遊園地に行きたい気分になった。

少し切なく、気持ち悪く。

そして楽しい遊園地。